逆転の発想。外部から考えてみる。

161017芝浦工大建築学科2年生住宅設計演習第一課題が終了。講評会を行いました。

学生たちにとっては、はじめての設計課題であり、その発表でした。

第一課題は平屋の設計。テーマは「庭を楽しむ家」。

じつは、わたしは完全な平屋の住宅を設計したことがありません。ですが、その機会があるならば、庭の取り方が大きな課題になることは間違いないでしょう。住宅の設計において、庭をテーマにすることはよくあります。

わたしたちの設計したHOUSESは、ほぼ平屋の住宅です。そこでは小さめの庭を分散配置しました。ひとつひとつの庭を小さくし、奥行きの浅い庭を多くつくることで、庭と室内との関係性を強くしました。庭・室内・庭・室内というふうに、内外の空間を交互に挟みこんで配置しました。敷地内の空間は、内部も外部も手の届く近い距離にあり、スケール感を抑えて、つくりこみすぎないようにカジュアルに、、、といったことを考えてつくりました。HOUSESでは素直に庭に出て楽しむという発想をせずに、建築全体の空間体験のツールとして外部空間を活用してみました。

ところで、大学の課題に話を戻すと、「庭を楽しむ家」という課題には、庭から家を考え直すというところに大きな目的があります。普通の設計では、室内空間を先に設計します。外部空間(庭)はそれに従属するものとして設計されます。もちろんそういう設計もできますし、それでも問題はありませんが、わたしの考えではこの課題の面白いところはそれとは逆の発想をすることにあります。つまり、良い庭(外部空間)をつくれば、それに応じて内部空間も素晴らしくなるという順番で考えるということです。外から中を考える。逆転の発想をすることで、空間の主従も逆転したように設計をすることができます。

もうひとつ別のアプローチもあります。庭を外部空間としてではなく、(屋根のない)部屋のようなものとして考え、内外を等価な存在として扱うものです。つまり、内部空間が外部空間に近づき、外部空間が内部空間に近づくような、そういう設計です。

 

ここまでで、3つのアプローチがあります。

 

1.内部から設計する(内→外)

2.外部から設計する(外→内)

3.内外を等価に設計する(内=外)※これには内部の外部化、外部の内部化がともなう

 

このように「庭」に注目することで、視野の広い設計が可能になります。

第一課題は、いい課題だったと思います。